★★★ コンパニオン・プランツ ★★★
一般的にコンパニオン・プランツとは一緒に植えて互いを引き立てあう植物全般を指します。色合い大きさから見て景観的に引き立てあう植物もあれば、一緒に植えることによって病害虫を防いでくれる植物もあります。ここではそんな病害虫に効果のあるコンパニオン・プランツについてお話してみましょう。

近年自然農法が脚光を浴び、古来から伝えられてきたこんなコンパニオン・プランツも再び注目されるようになりました。けれども先にあげた無農薬スプレーのように、これも絶対的な効果があるわけではありません。ほとんど気休めかなぁと時には悲観的ムードで植え付けたりしています。

でも長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた先人の知恵を、私は簡単に否定する気にはなれないのです。洋書ですが、なかなかいい本も出ているのでご紹介しましょう。何冊かの本の著者であるBob Flowerdew氏はイギリスでもよく知られた自然派園芸家の第一人者で、イギリスのベストセラーガーデン誌Gardeners' Worldでも有機栽培コーナーの講師を務めています。長い髪をひとつみつあみにしたユニークな風貌の持ち主なのでご存じの方も多いでしょう。

[ BOOKS ]

"A-Z OF COMPANION PLANTING", Pamela Allardice, Cassell Publishers Limited, ISBN 0-304-34324-2
"Bob Flowerdew's COMPLETE BOOK OF COMPANION GARDENING", Bob Flowerdew, Kyle Cathie Limited, ISBN 1-85626-171-9
"CARROTS LOVE TOMATOES", Louise Riotte, Garden Way Publishing, ISBN 0-88266-064-0
"ROSES LOVE GARLIC", Louise Riotte, Garden Way Publishing, ISBN 0-88266-331-3
"The Companion Garden", Bob Flowerdew, Kyle Cathie Limited, ISBN 1-85626-169-7
■■■ コンパニオン・プランツ・リスト (List of Companion plants)




Mme Lauriol de Barney

<ニンニク> (Garlic)

数あるコンパニオン・プランツの中でもニンニクの効果は結構期待できるような気がします。BSでやっていたアメリカの園芸番組「自然派農園」の中でも薔薇の周りにぐるりといくつもいくつもニンニクを植えていました。「ニンニクの効果のほどはよくわかっていません。効果があるという人もないという人もいます。でも私は植えます。効果があるかどうかしょっちゅう薔薇を気に掛けてあげられるからいいんです」なんて言っていました。
昨年うどん粉病で真っ白だったMme Lauriol de Barneyを鉢上げしてニンニクで囲んであげたところ、今年はまったく病気になりませんでした。ただしニンニクなどネギの仲間の効果が現れるのは3年目からとのことですから、ニンニクが直接効果があったのかは定かではありませんが。
黒点病、うどん粉病に効果あり。虫を寄せ付けない働きもあるそうです。
私が気に入っているのはそのユニークな花。オールドローズの咲く頃、首の長いくちばしの長い超細身の鳥のような実におかしな花のつぼみをすうーっと伸ばしてきます。人によって好みは分かれるかもしれませんが、変わりモンが好きな方にオススメ。



<チャイブ、ニラetc. ネギの仲間(アリウム)> (Chive, Garlic chive, etc.: Alliums)

ニンニクと同じく、アリウムと呼ばれるネギの仲間は黒点病、うどん粉病に効果があるとされています。
これも効果が出るには3年かかるとのこと。上記のThe Companion Gardenという本の裏表紙にはこんな記述があります。
「淡いクリーム色のオールドローズの足下に植えられたアリウムやキャットミント。その深い紫色にいったい誰がさからえるでしょうか。ドラマティックな景観を生むだけではなく薔薇におそいかかるアブラムシを防いでくれる効果もあります。」
私の薔薇には必ず何かしらのネギの仲間が一緒に植えられています。ある薔薇にはニンニク、ある薔薇にはチャイブ、またある薔薇にはニラといったように。上記のフレーズのようにチャイブ、ニラなどは景観的にも薔薇とよく似合います。チャイブは初夏の薔薇の咲く時期、ニラは秋薔薇の咲く時期とぴったり合います。
病害虫に関しては、目立った効果はいまのところ確認していませんが。



<ナスタチウム> (Nasturtium)

小さな蓮のような形をした葉を持つナスタチウム。ピリっとした葉もカラフルな花も全草食用にも適している重宝なハーブです。
これがコンパニオン・プランツとしてもなかなか利用価値がありそうです。
ナスタチウムはその独特な香りのせいでしょうか、アブラムシ、ハムシなどを寄せ付けない性質があるのだとか。また、大切な植物の近くにわざと虫が好む植物を植えてそこに虫を集めることによって大切な植物を守る「おとり」のような働きをする植物を「トラップ植物」と言うようですが、ナスタチウムはナメクジやカタツムリなどのトラップ植物になるようです。
実際に私の経験でも、ナスタチウムの近くに植えられた薔薇にはあまりアブラムシがつかないように思われます。


<パセリー> (Parsley)

パセリーを薔薇の近くに植えると薔薇の大敵、コガネムシに効果があるそうです。コガネムシにはどんな薬剤も漢方も効きません。テデトールがもっとも有効な退治法です。でも花の盛りになるとどこからともなく大群で現れせっかく1年がかりで咲かせた大事な花を無惨にも食い荒らしてしまうのは、ほんとに憎たらしいですよね。今年1部のガーデンにイタリアン・パセリーとその仲間を植えたのですが、今思うとこのガーデンのコガネムシは圧倒的に少なかったようでした。来年もぜひ植えてみたい気がします。


<ゼラニウム> (Geranium)

これはちょっと面白い話なんですが、上記A-Z OF COMPANION PLANTINGの本によると、白いゼラニウムは薔薇の大敵コガネムシのトラップ植物になるのだとか。その理由がうがっていて、ゼラニウムの葉っぱを食べコガネムシは死んでしまうからなのだそうです。
これが本当なら我が家の薔薇園も白のゼラニウムだらけにしてしまいたいところですが、残念ながらうちの白のゼラニウムの周りで満腹して死んでいるコガネムシにお目にかかったことはありません。でもそんな経験ある方いますか?


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