まとめ。。。
今回の試験結果をざっとまとめてみます。(数値の詳細は、以下の「挿し木試験一覧表」で。)


 珪質頁岩は発根性能高い

 - 多孔質の珪質頁岩は挿し木にむいているのでは?と漠然と始めた試験でしたが、成果は正直言って予想以上でした。
発根時間も早かっただけではなく、その根の勢いにはびっくり!肥料分があるためか、空隙率が高いためか、理由はこの試験ではわかりませんでしたが。

 珪質頁岩のイオン交換作用は?

 - 根腐れを防止するイオン交換作用があるかもしれないと珪質頁岩に期待したのですが、「ミリオン無し比較試験」では5本中4本が根腐れ。根腐れ防止効果はあまりよくない結果となりました。ただし「比較試験ではないミリオン無し」の6本苗が6本すべてに勢いの良い根が出ていたので、決めつけるわけにはいきませんが。下の注5で書いたように、今回の水遣り加減が珪質頁岩には少々過多だったかもしれません(反省)。

 ビーナスライト、パーライトの性能良し

 - 市販の挿し木定番用土、ビーナスライト、パーライトは定番というだけあって、結果的にはやはり発根が多かったです。
ミリオン無しでも発根率が高かったようで、根腐れ防止効果もあるのかしら。ビーナスライトは中粒で軽かったためか、「抜け」が多かったのは今後の課題です。

 ミリオン無しでも大丈夫(?)

 - 挿し木には必ず根腐れ防止効果があるというミリオンを使ってきました。今回もいったんミリオン無しのものに根腐れが大発生したかのように思えましたが(18日目)、集計してみると、ミリオン入り、無しの差はあまりないことが分かりました(表4)。ビーナスライト、パーライトなどには、ミリオンのような効果があるのかもしれません。
  
  詳しくは以下の表をご覧下さい。

  「挿し木試験一覧表」
注:
 表1)挿し木本数: 比較試験として、表1のサンプル1-8をそれぞれ1カップ5本植えで用意。その他に表1:サンプル1、5の6本植え1カップ、サンプル2、6の6本植えそれぞれ3カップを用意。表1の挿し木本数はその合計です。

 表2)挿し木本数: パーライトは1カップ7本植え。ミリオン入りは3カップを用意。ミリオン無しは1カップ。本数はその合計。
 カルスとは: 切り口が組織で塞がり、根が出る準備が出来ている状態。ここでは発根とみなして計算しています。
 抜け苗とは: 挿し木した苗は抜けやすく、他の苗とからまったりして途中で抜けてしまった苗です。
 表3、表4: 赤玉土は保水力が高いため本来水遣りも控えめにしますが、今回他と同じ加減で水遣りをした結果、水が過多となり根腐れ、カビが多数発生。そのため表3、表4からははずしました。珪質頁岩粉も同じです。その意味では、珪質頁岩小粒にとっても、多少水遣り過多だったかもしれません。