洋梨のタルトもずっと定番のお菓子。オレンジ風味の洋酒グランマニエをきかせて、ちょっと私流。暑い日差しの下なので生菓子をお出しすることは出来ませんが、みずみずしい洋梨ならお召し上がりやすいかと定番になりました。
当日のために数日前から薔薇のシャーベットを仕込み、2種類の定番ケーキも足りなくならないよう
いくつも焼きためます。そんなさなかにもこの時季は不意のお客さまがいらしたりと大忙し。でも大丈夫!庭でとれた新鮮なロケットをさっと散らして、お手軽ピザやキッシュでおもてなし。
三々五々いらっしゃるお客様。初めてという方々同士もいつしか打ち解けて、共通の話題に盛り上がります。それも当然ですよね、みなさま、ガーデン好きということでは心がひとつですもの。
West Herb garden
薔薇のシャーベットの仕込み中です。作り方はCooking、薔薇シャーベットのページをご覧ください。
このまま2日ほど置き、香りと色がシロップ液に十分溶けだしたら、漉してシャーベットにします。
朝、香りの良い薔薇を選び、花びらを一枚一枚ほぐしながら仕込む作業は大好きな薔薇仕事。柔らかく冷たい花びらの感触、爽やかな薔薇の香りにつつまれての至福の時間です。
Center circle garden
夫の手作りガーデンシェッドもすっかり我が家の顔になりました。自転車ホイールを飾った小屋のある家です、と言うと初めていらっしゃる方でもわかって下さいます。
折角だからここをどう花で飾ったらいいのかが今度は私の役目。なのになかなかうまくいきません。今シーズンは壁面に這わせた群星とハンギングが、やっと少し見られるようになりました。その年によって出来不出来が変わるので、来シーズンの保証は出来ませんが。
Making of the Rose shervet
Fruit cake with leaves of the rose geranium on the top
このサークルエリアも出来て3年。ずいぶんと落ち着いてきました。少し洋風、少し和風、と欲張った取り合わせも意外とマッチングして、、、と自己満足なんですが。アオハダはまだまだ低木で、シンボルになるのは何年先かなあ〜。
今シーズンは、ガーデンパーティ大特集〜。
いままでしっかりとご紹介して来ませんでしたが、薔薇の季節に毎年繰り広げる我が家の一大イベント、ガーデンパーティをご披露します〜。薔薇を見ながら、はるばるいらして下さったお客様との薔薇談義、よもやま談義。薔薇を育てているのはこんな日のため、と実感できる幸せ感いっぱいの一日です。
この日のために、お客様がたくさんいらしてもきらさないようにと焼きためるケーキ類。色と香りを数日がかりで抽出して仕込む薔薇のシャーベット。どの作業も来たるガーデンパーティに照準を合わせて、私のわくわく感も日々盛り上がります。
そして薔薇も!ポツリポツリと咲き始めた薔薇に、まだ満開にならないで!とその日に向けて祈る日々。当日はぜひ晴れて!と天気予報ともにらめっこ。その甲斐あって、おかげさまでこの20年、ほぼ文句なしの薔薇日和。晴れやかな当日の朝を迎えます。
Motimer Sackler and Clematis durandii
夫が長年自転車のホイールを捨てずにとっておいたのですが、あるとき思いついて「私にちょうだい!」と銀色だったホイールを黒く塗り、ガーデンシェッドの壁に飾ってみました。
実は2つあったので東面と西面とに飾っています。ちょっと唐突ですが、ハンギングを飾ったら少しおしゃれっぽくなりました。
ER Gentle Hermione
ローズゼラニウムの葉を載せて焼いたフルーツケーキ。
薔薇つながりで、かすかにローズの香りのするケーキを味わっていただこうと必ずご用意します。
ガーデンシェッドにも薔薇を飾って。
庭の見栄えが優先なので、切る薔薇も裏側の
目立たない花を選んで切り取ったりと四苦八苦。
意外と裏方の苦労もあるんです。
花殻摘みした薔薇も、まだ散りきらないものはガラスの水盤に浮かべて活用〜。こんな作業はもう楽しいのひとこと!にぎやかなガーデンパーティが私の中ではもう始まっています!
ガーデンシェッド正面の庭は、家の西側になります。気がついたらイングリッシュローズがたくさん集まっていました。イングリッシュローズはガーデニング本場の薔薇らしく、ハーブや他の花々にも自然と溶け込んでくれます。
我が家でも一番早くから植えられていたこの薔薇、イギリスの薔薇ナーセリー、Peter Bealesに初めて注文して植えた薔薇のひとつです。早くに植えていたのに、そんなに注目をあびることなく20数年!!!
カーポートを作り変えてその縁に誘引したら!!!やっとやっと本領発揮となりました。見せ方の問題だったんですね〜。お日様の光をよく浴びるよう自分からぐんぐん枝を伸ばし、花をつけて。
Pizza with rocket
この時季のランチ時には、庭でふさふさと茂るロケット(ルッコラ)のピザやキッシュも作ります。おしゃべり中心の気軽なお客様には、オーブンに放り込むだけのこんなお手軽な料理が大活躍!
Summer vegetable quiche with rocket
Tart au poires
さあ肝心の当日の庭はというと!
北海道のさわやかな7月の季節は、ちゃんと期待に応えてくれました。薔薇の咲き具合もお天気も申し分のない最高の日となりました。これが何よりのおもてなしなんですよね〜。主役は庭なんですから。
お客様をお迎えする玄関前にはクレマチス・デュランディとイングリッシュローズ’モーティマー・サックラー’。こうしてみると、お客様をお見送りするエリアでもあるんですね。またいらして下さいね、と見つめているように振り向いて咲いています。
そんな庭の中から、今シーズンの特筆すべき薔薇をご紹介しましょう〜。期待して植えた薔薇でも、思ったほど目立つことなく何年か経って、あるとき急に存在感を示す薔薇があります。樹の充実、環境への適応、周りのコンパニオンプランツとの適応等、いろいろ理由があるんでしょうけど、とっても不思議。ある年、あらこの薔薇なんてきれい!といきなり目を引く時があるんです。
My Granny、The Faun、The Fawnとたくさんの名前を持つ、デンマークOlesen作出の薔薇。なぜこんなにいろいろな名前があるのか不思議ですが、育ててみてその理由のひとつがわかる気がしました。可愛い、丈夫、育てやすい。利点をあげたらきりがないほどの優秀さで、世界にぱあ〜と広がったんでしょう〜。その国に早く馴染みやすい名前をもらって。
この色合い、この優しさを見たら、もういきなり虜になりますよね〜。香りが微香なのが唯一の弱点ですが、それはもう関係ないほどの可愛らしさ。
北国には嬉しい耐寒性が強いことも、惚れてしまう大きな理由です。
この豪華な黄金色の咲き具合といったら!オールドローズらしい香りの良さ、絵に描いたようなクォータードロゼットの花形、この薔薇の名前のとおり、今年は錬金術師になった気分です。
右手奥の薔薇は’群星’。小屋が傷むから地植えの薔薇はダメとの夫の主張で樽に植えています。そのせいか年によって花付きがバラバラ。今年の咲き具合は上出来です!
東側の薔薇は、Ghislaine de Feligonde。ここは庭の北側にあたり、日照時間も少なく冬は屋根の雪が落ちる場所。植えられる薔薇はないと諦めていたのですが、やっと素敵な薔薇に出会いました。植えて3年ですが、こんなにも優しく丈夫に咲いてくれます。
しかも嬉しい繰り返し咲き!
Ghislaine de Feligonde
ガーデンシェッドを臨む家の北側には、ハーブのボーダー花壇があります。ハーブだけではなく、ここにもさりげに小花の薔薇を。ピンク一重のバレリーナは秋にも華やかに咲いてくれて、さみしい北の庭をぱっと彩ってくれます。
Ballerina
Path to the Garden shed
ER Sweet Juliet
West English rose garden
イングリッシュローズ、それもなぜか黄色系のものがこの西の庭には多く、名付けてイエローガーデン。不思議とクレマチス’ジェニーカディック’のこんな濃紫赤色にも合うんですね。
Clematis 'Jenny Caddick'
ER Sweet Juliet
ER Teasing Georgia
Paul's Himarayan Musk and Allium giganteum
隣の白い小花ミツバシモツケがしっかり引き立て役になって、イングランズ・ローズのローズレッドがいっそう際立ちます。
自由な花形もこれだけ咲きそろうと自然で優雅に見えるから不思議!
イングリッシュローズの’イングランズ・ローズ’もそんな薔薇のひとつ。イングランドの名前をもらった薔薇と期待大だったのですが、小ぶりの自由な花形に、こんなものかなあ〜と期待値が下がっていた矢先、今シーズンはこんなに素敵に咲いてくれました。
East arch area
West pergola garden
洋梨のタルトには星型の青いボリジの花を飾りに。
アールグレイの水出し紅茶にはミントの葉を香りづけに。
庭のハーブも大活躍です。
日差しのもとでのガーデンパーティは、生菓子は心配なので、
ケーキは焼き菓子に。暑い中いらっしゃる皆さまのために、
飲み物も冷たいものをご用意します。