★ 薔薇の雪囲い (Preparation for snow) ★

■■■ 北国の宿命、それは雪との戦いです。夏の華やかなガーデンは束の間の夢。たちまち雪囲いの準備に取りかからなければなりません。私の住む北広島市は札幌と千歳のちょうど中間に位置しています。千歳は雪が少ない利点を生かし空港ができたほどなので、北広島もきっと雪が少ないんだ!と思いこんで移り住んだところ大はずれ。冬場の積雪は1mほど。札幌よりも多いと今は確信しています。(ーー;)■■■
まだ11月だというのに今年はもうこんな雪景色。(Nov. 29, 1998)
■■ 雪の多い地域では薔薇は思い切って根元まで剪定してしまうという方法もあります。でもモダンローズと違ってオールド系の薔薇は前年伸びた先端に花芽が付くため、根元まで剪定してしまうわけにもいきません。
掘りあげて土の中に埋める方法や、片側の根だけ掘り横倒しにする方法もありますが、やはり根を切ったぶん株が弱ってしまいます。北海道でも雪の少ない地方ではこの方法が取られているようです。

■■北広島の豪雪は私の悩みの種ですが、冬場マイナス20度くらいにもなる北海道でも雪の中は0度に保たれるわけですから雪の多いことはそう悪いことではないのかもしれません。少なくとも雪の下で薔薇は0度を維持できるのですから。
ただし1mもの雪の重さにつぶされないよう、しっかりと雪囲いしておく必要があります。

■■ 以下は私流の雪囲いです。一応この方法で、雪でつぶされたことはありません。
ツルバラに関しては誘引した枝先が春先に枯れ込んでしまうことが幾度も。ですから以下は寒さに強いツルバラ向けの方法です。横倒し法をやってみたいとは思っているのですが。



(Nov. 15, 1998)
こんもりとした植栽には根曲がり竹と呼ばれる根元の曲がった竹が適しています。右のイチイ(北海道ではオンコといいます)は円錐型に仕立ててあるため、この根曲がり竹で膨らみを出しながら囲み、縄を回します。
でも薔薇のように幅のない樹木にはまっすぐな竹の方がいいでしょう。左はイングリッシュローズのマサコです。


<薔薇の雪囲い>
1.まず中心に竹を1本立て薔薇全体を軽く縄で茶巾絞りにします。薔薇の大きさに応じて2段〜4段くらい縛ります。
2.つぎに3本の竹を薔薇を囲むように三角錐に立て、上部を縄で2,3回巻き竹の間にも回して「割り」を入れ、きっちりと縛ります。
3.さらにこの3本の竹のまわりに段を作るように縄を回します。縄は1本1本の竹にもきちんと回してしっかりと固定しながら締め上げます。これでできあがりです。
竹のまわりに段状に回した縄が雪の重みを緩和してくれます。特に春先気温がゆるみ根雪全体が融け始めると植木も一緒に引き下ろしながら沈むため、薔薇が否応なく強剪定されてしまうのです。

4.屋根の雪が落ちてくる場所や除雪した雪がかかる可能性のある場所は、さらに3本竹の上からムシロをかけた方がいいでしょう。ムシロも何段かに分けてしっかり縄で締め上げます。
写真の左奥はツルバラAlchemistの雪囲い。トレリスに低めに誘引したあと上からの雪の重みに耐えるよう、縄で何段か雪受けを作ります。
写真の右奥は大事な大事なツルバラDesprez a Fleur Jaune。寒さに弱いノワゼットなので、低く誘引したあとムシロでくるんでいます。

雪囲いが終わると庭中竹の林立。壮観です。


(Nov. 29, 1998)
でもそれも雪が降ると風情が増します。
真冬はこの塀の高さまで雪が積もります。雪囲いは、北国の長い冬味気ない雪景色を情緒豊かにするという意味合いもあります。竹や縄、きちんとそろった結び目がなんて雪に似合うことでしょう。
さらにオンコに飾り付けたイルミネーションも彩りを添えてくれます。
(Dec. 2, 1998)


聖夜という風情ですね〜。

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