皆既日食観測記 2009年7月22日、中国烏鎮(ウーチン)にて。
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今世紀最長の皆既日食という一大天体ショーを迎えたその日、烏鎮の朝はあいにくの空模様で明けました。時々驟雨も混じる小雨がちの曇天の中で、太陽の位置もわからない天候にみなあきらめムード。冗談を言ったり気休めを言ったり、もうほとんど部分日食でさえ絶望視していたその時。皆既直前、細い月影のような太陽がちぎれ雲の隙間からその姿を現したのです! 皆既を迎え太陽は奇跡のようにくっきりと闇夜に浮かび上がり、幻想的な漆黒の世界が続いた長い長い数分間。鮮烈なダイヤモンドの煌めきと共にやがてまた新月のような下弦の太陽へ、そしてまたいつの間にか雨雲の帳の中へ。なんと劇的な皆既日食だったことでしょう。今世紀最高の皆既日食を、最高の舞台で目撃することが出来ました。
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