*ルー

【 Rue 】

ここでお妃さまは涙をこぼされた。ここ、ここのところに、
ルーの花壇をつくろう。酸っぱい恵みのハーブの、悔やみの
ハーブともいうけれど、ルーはすぐここに生えるだろう。
泣いておられたお妃さまを思い出すために。

Here did she fall a tear; here in this place
I'll set a bank of rue, sour herb of grace.
Rue, even for ruth, here shortly shall be seen,
In the remembrance of a weeping queen.

    リチャード2世(第3幕第4場)
    KING RICHARD THE SECOND (Act 4, Scene 1)

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   (リチャード2世は後のヘンリー4世となるボリンブルックに王位を奪われます。ボリンブルック進軍の知らせを聞き急ぎロンドンへ向ったリチャード2世の王妃を偲んで、庭師が語ります。)

(ルー)(Rue)つづき

(王に)これがあなたのフェンネルとコランバインよ。
(王妃に)あなたにはルー。私にも少し。これは安息日の
恵みのハーブと言ってもいいの。

There's fennel for you, and columbines.
There's rue for you; and here'ssome for me.
We may call it herb of grace a Sundays.

   ハムレット(第4幕第5場)
    HAMLET (Act 4, Scene 5)

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   (正気を失ったオフィーリアが、兄には忘れないようにとローズマリー、王にはおべっかのフェンネルといやらしいコランバイン、王妃には昔を悔いるルーを手渡します。オフィーリアの手元にはデイジーと萎れたスミレが残ります。)

黄色の小花をつけるミカン科の宿根草。ヘンルーダとも呼ばれます。不思議な香り。内服はしません。防虫効果があるため、モスバッグに。