* Desprez a Fleurs Jaune [Noisette] 1956

オールドローズと呼ばれる薔薇たち [ 解説 ]

(....写真はKiho's gardenの薔薇たちです....)

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*ガリカ(GALLICAS)

フランスからトルコにかけての南欧原産の薔薇で、原種のR.gallicaは、古代ギリシャ、ローマ時代にその歴史を遡ることができます。古くから薬効のあることで知られていました。
一説によると、イギリスには1277年にランカスター伯エドマンドによってフランスから持ち込まれ、ランカスター家の紋章となりました。1455年〜1485年の薔薇戦争において、ランカスター家の赤薔薇というのは、このR.gallicaだといわれています。
Red Rose、French Rose、Rose of Provinsなどの別名があります。
ピンク色から深紅、紫色の花、深緑の葉を持つ一季咲きの芳香種。横広がりの低木に育ち、痩せ地でも栽培可能の強健な薔薇です。
* Cardinal de Richelieu

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*ダマスク(DAMASKS)

ダマスク系の薔薇は、シリアの都市ダマスカスにその名を由来し、十字軍によってヨーロッパに持ち込まれたと考えられています。
オールドローズはたいてい一季咲きですが、ダマスクには一季咲きの「夏咲きダマスク」(R.gallicaとR.phoeniceaの交配)と秋にもう1度返り咲く「秋咲きダマスク」(R.gallicaとR.moschataの交配)の2種類があり、どちらもギリシャ、ローマ時代の文献に登場する古い種類です。香りの強いオールドローズの中でもひときわ芳香性に優れ、ローズ・オイルの産地として有名なブルガリアで栽培されているのは、この種類です。
ガリカ系よりやや高いしっかりとした低木に育ち、花色は白からピンク。

* R. damascena bifera (Quatre Saisons)


* Mme. Hardy

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*アルバ(ALBAS)

R.damascenaとR.caninaの交配種で、ガリカ、ダマスクに次ぐ古い品種です。アルバ系のRosa Alba、Alba Maxima、Alba semi-plenaにはどれもWhite Rose of Yorkの別名があり、薔薇戦争でヨーク家の象徴となった白薔薇ではないかといわれています。
花色は白からピンク。棘が少なく、葉はグレイがかった緑色です。
* Alba Maxima

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*センティフォリア(CENTIFOLIAS)

Cabbage Rose、Holland Rose、Provence Roseなどの別名を持つ薔薇で、16世紀の終わり頃、秋咲きダマスクとアルバ系の交配で生まれたとの説があります。百の花びらを意味するその名前やキャベジ・ローズの別名が示すように、中心を包み込むように内側に重なりあったいく重もの花弁が印象的です。17世紀から18世紀にかけてフランドル派の静物画によく登場するため、「画家の薔薇」とも呼ばれました。
中心に向かって濃くなる透明なピンク色の花。よく伸張する枝を持つため、低木の蔓薔薇としても育てられます。19世紀には一重やセミダブルの品種も生まれました。
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*モス(MOSSES)

モスは18世紀の初めオランダでセンティフォリアから生まれました。センティフォリアとよく似ていますが、苔のような萼に覆われた蕾に特徴があります。
色は豊富。樹高は低木から品種によっては2m以上。四季咲きの品種もいくつかあります。
* Chapeau de Napoleon    
  * Alfred de Dalmas

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*チャイナ(CHINAS)

中国原産の薔薇で、18世紀にヨーロッパにもたらされました。それまで一季咲きだったヨーロッパの薔薇は、チャイナ系の薔薇とかけ合わすことにより四季咲き性の薔薇となり、薔薇の歴史に大きな役割を果たしました。
原種のチャイナ系は倭性ですが、たいていは樹高1m前後。ピンク色から赤の一重または八重の花をつけます。
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*ポートランド(PORTLANDS)

イタリア原産の薔薇といわれますが、18世紀後半にポートランド公爵夫人にちなんで名付けられました。秋咲きダマスクとR.gallica 'Officinalis'の交配種と言われています。
どれも四季咲き。鉢植えも可。小さな庭にも適しています。
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*ブルボン(BOURBONS)

1817年、当時ブルボン島と呼ばれていたアフリカ、マダガスカル島の東にある島(現在のレユニオン島)で、生け垣として植えられていたチャイナ系とダマスク系が偶然交配し、ブルボン系の薔薇が生まれました。これによりチャイナ系の四季咲き性とダマスク系の芳香性を合わせ持つ、数多くの名花が次々に生み出されることとなりました。画家ルドゥテによって描かれたことでも有名で、ビクトリア時代の人々に愛された薔薇です。
花は丸みを帯びた大輪。四季咲きの強健な芳香種。
* Mme.Lauriol de Barney* Variegata di Bologna* Souvenir de la Malmaison
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*ハイブリッド・パーペチュアル(HYBRID PERPETUALS)

19世紀に出現した薔薇の種類で、ブルボン系の薔薇と他のいろいろな薔薇をかけ合わして生まれました。花の展示会が盛んであった当時、3000種もの新品種が生まれたそうですが、その後衰退し、いまでは100種程度が残っているのみです。
色は赤からピンク、白。香りのよい大輪の花を付け、丈夫なシュートを伸ばします。樹形はやや奔放になるようです。
* Duke of Edinbugh

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*ティー(TEAS)

中国原産の薔薇で、R.chinensisとR.giganteaの交配種だろうと考えられています。ヨーロッパには19世紀の初めに持ち込まれましたが、寒冷地には適さないため主に温室で栽培されました。オセアニア、南アフリカ、地中海などでは多く栽培されているようです。ティーという名前の由来は諸説ありますが、実際にはお茶の香りはしないようです。
つる薔薇とブッシュの2種があります。大きく美しい花はピンク、バフ色、淡い黄色。棘も少ない薔薇です。
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*イングリッシュ・ローズ(ENGLISH ROSES)

1961年にディビッド・オースティンにより最初のイングリッシュ・ローズ、Constance Spryが生まれました。これにより、現代薔薇の出現により忘れられようとしていた多弁、カップ咲きのクラシカルな花形、魅惑的な芳香が再び脚光を浴びることとなりました。イングリッシュ・ローズの大きな特徴は、花形、香りの他にさらに、オールドローズでは一般的ではなかった四季咲き性を合わせ持っていることです。近年の復古ブームとあいまって、イングリッシュ・ローズの人気は今後ますます高まることでしょう。
多様な芳香性。花弁の多いふくよかな花形。花色も豊富です。温暖な地域では半つる薔薇のようによく伸張します。
* Glamis Castle* St.Cecilia
* L.D.Braithwaite* Perdita
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